カテゴリ
最近の記事
管理人
kappa-s.jpg
名前:nyatto
twitter:http://twitter.com/nyattoh
Facebook:http://www.facebook.com/nyattoh
FBレター:http://fb-letter.com/100002151358967.html
一言:

持ち前の中途半端さが全面に出ています。
あんまり突っ込まれるとぐぅの根も出ませんが、
何かあったらお気軽に書き込んでください。

コメントはスパム対策で一部ですが承認制にしてある記事があります。ご了承下さい。
ツイッター始めました。
Facebookの情報をメールでお届けします

内藤
過去ログ
リンク集
□個人的リンク
VabooLog2011
異邦人の食卓
アラフォー男子のウチのゴハン
アートルーム ヘアビジョン
Look at me.
本と文化の街 スーパー源氏
(古本・書籍検索ポータル)


■相互リンク
・「eguegu-Photo
・「詠う鯨
・「電脳生活で健康維持
・「やくにたたない?PCブログ
・「ジャパネットたかたの通販ガイド

■メーカ
NEC
SHARP
ソニースタイル
TOSHIBA
富士通
Panasonic
日立
エプソンダイレクト
Lenovo
日本hp
Dell
ソーテック
オンキヨー
ASUS Shop

■BTO・パーツ屋
グットウィル
韋駄天PC Online Shopping
エーチャージ
クレバリー
サイコム
TWOTOP
ドスパラ
ハーキュリーズ
パソコン工房
T・ZONE
VSPEC
フェイス
BLESS
フロンティア
マウスコンピューター

■中古
ソフマップ中古販売
ソフマップ・ドットコム 買取りサイト

■ショッピングモール
Amazon
楽天
【Yahoo!ショッピング】おすすめ情報
ライブドアデパート

タグクラウド
TOP  >  読書とか文芸関係  > 

2008年03月08日

朝倉卓称「雪の夜話」の感想

このエントリーをはてなブックマークに追加
//
雪の夜話本屋で何となく手にとってみました。今まで読んだことがなかった作家さんなので多少ためらいましたが、最初の数ページを読んでみていけそうだったので購入。
個人的には気に入りました。

が、これは読み手を選ぶ小説です。
話の筋だけを取り出して構造主義的に言ってしまえば「ありきたりなストーリー」なのでしょうが、この小説の醍醐味は話の筋ではありません。

あらすじとしては、雪の降る公園で人の目に見えないはずの少女と出会った高校生の主人公が、大学に入り、就職し、挫折し、帰郷してまた少女に出会って・・・という感じです。
一応ハッピーエンドになります。

哲学の好きな人にはウケがいいでしょうが、ストーリー重視の人には面白くないのではないかと思います。
しつこい、まどろっこしい、うじうじしてる、という文句が聞こえてきそうです・・・
あと、映画はアクション映画しか観ません、という人はやめた方がいいです。

哲学で言うと、プラトンとアリストテレスとヘーゲルを足して、そこにキルケゴールの絶望とハイデガーの実存を隠し味にしたような話です。多分。

とにかく、主人公の暮らしや思考が淡々と語られます。
文字数は多く(1文字あたりの単価は安め)、文体も個人的には非常に気に入りました。

読点の打ち方がいい。
淡々としている、というのが一番ふさわしい表現です。
題名「雪の夜話」は、この文章全体を実に如実に表しているように感じます。
文章そのものが、静かな雪の夜です。
解説にも書いてありましたが、本当に「地味」です。
そして、その中にとても濃縮された強さがあります。
雪の重みにも耐える強さというか、そういう文章です。

読み始めた当初、福永武彦に似ていると思いましたが、福永武彦よりはむしろ力強く、地に足がついているというか現実的、おそらくこの本のテーマである「存在」「時間」「自我」を非常に堅実に描いていると思います。
陳腐に言えば「命の賛歌」と言えなくもありませんが・・・やっぱり違うんだよな。

※以下、物語の内容に触れます。ストーリーには全然関係ありませんが、思いついたことをダラダラ書いてますので適当に読み飛ばしてください。
存在(福永武彦なら「命」と言いそうですが、この本であれば「存在」の方がしっくりきます)の描き方は福永武彦にかなり近く、∞(無限大)から有限が生まれ、また0(ゼロ:無)に限りなく近いが0ではない∞へ還っていく、そういう存在論(誤解を恐れずに言えば生死観)では似ていると思います。

科学用語を使ってみると、エネルギーとエントロピーの関係
エネルギー全体から切り取られた個としてのエネルギーで存在というエネルギーを形成する、その存在の中にエントロピーが徐々にましてゆき、最終的にはエネルギー全体に戻っていく感じでしょうか。

比較的自分が考えている存在の捉え方と多少近かったのでなかなか面白かったです。

少女の言を借りるなら、
「雪のずうっと向こうに光のかたまりがあって、それはとても小さいのだけれど、でも考えられないくらいに密度の高いかたまりなの。そのほんの切れ端が、本当に微細な一欠けが剥がれ落ちるだけで、それは途端に拡散する。・・・(略)」

少女曰く「わかりやすく説明」すると

「(略)・・・あのね、命っていうのはずうっと存在しているのよ。命そのものは生まれたり死んだりすることと本質的に無関係なの」

「あのね、思いとか言葉とかそういうのは想起された瞬間にそこにあるのよ。・・・(中略)・・・本当は貴方にもわかるはずなの。だって全部繋がっているんだから。
 確かに今貴方は貴方として切り取られてそこにいる。でもそれは貴方が思うほど完璧な障壁ではないのよ。・・・(略)」


わかりやすく「命」という言葉を使ってくれていますが、おそらく「命」という言葉で表現できないもの(今度はソシュールになりつつある)を指しているように思います。

∞から個(有限)を切り取られ、それに名前が付いた瞬間、その個はそれ自身(個別的で有限な存在)に束縛され、そして自らも拘泥する存在になってしまいます。
「貴方である間命には貴方がこびりつく」然り。
森博嗣の「幻惑の死と使途」を思い出しました。
「人は名前のために生きる」

が、それは差異の中でしか個とはなれません
しかも、元の∞の一部でもあるわけです。
なんだか集合濃度みたいで数理哲学っぽいですが・・・

「・・・(略)僕になった何かはあるいは吉田さんになっていたかもしれないし、山根さんだったかもしれない。・・・(中略)・・・には無数の選択肢があったはずだ。
 でも、もう僕は僕にしかなれない。そうだろう?

「僕らは結局自分の形を想像してどうにかつかもうと足掻いているだけだ。どの形もさほど違う訳でもないのに止めることができない。それはまるで呪縛のようだ。
 そのイメージはどこか一面の雪景色に通じた。どの一つをとっても同じ形は存在しないというのにそれはどこまでも均一だった


章の冒頭に雪の結晶が描かれているんですが、これをそれぞれ違う形にして、そこまでこだわったらよかったかなぁとも思いましたが、本の装丁にまで口を挟んでも悪いので小さい字で書いてみました。

まぁあれです、「書を捨て町に出よう」と言われたら身も蓋もない小説です。
が、とても楽しめました。
新しい作家さんを開拓してとても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ クチコミblogランキング TREview

雪の夜話
北の街に暮らす高校生の僕は、白い闇に包まれた深夜の公園で、雪と戯れる少女と出会う。
それから八年。都会の生活と大人の社会からはみ出してしまい逃げるように帰郷した僕は、雪夜の公園であの時のままの少女と再会する……。『四日間の奇蹟』の浅倉卓弥が贈る、心暖まる現代のフォークロア。
タグ: 読む 読書
posted at 15:22 | このブログの読者になる -| 更新情報をチェックする | Comment(8) | TrackBack(0) | 読書とか文芸関係
この記事へのコメント
新しい作家の方の本との出会い。
これがあるから、本屋さんってオモシロイです。

3年前ぐらいに会社の後輩から「○○さん、本ぐらい読まなアホになりまっせ」とキツイ言葉をいただいて本を読んでいますが、
3年間・・・100冊超
2年前・・・50冊超
昨年・・・30冊超
っと、少しずつ読むペースが落ちてるんです。。。
今年はまだ6冊。
40越えると身体ガタくるは、頭は固くなるはで努力しないとアホになっていきます(^^v

命(生命)、永遠のものと考えています。
で、なければ今大阪の貧乏な家に生まれたりとかの必然性が説明つかないと考えていますので。。。
そして、繋がっているものだと感じております(^^v

あぁ〜、哲学的。。。
Posted by eguegu at 2008年03月08日 22:55
哲学を勉強するクラブにも一応、所属していますので、少し興味あるかも。
キルケゴールとかハイデガー、そのクラブで最近、よく聞く名前です。
Posted by 桃源児 at 2008年03月08日 23:33
>egueguさん
おお〜。すごい。
たくさん本をお読みになるんですねぇ。
30冊でも十分多いと思います・・・(;´∀`)
既に記憶力や語彙力が低下してきていてかなり焦っています。
egueguさんを見習って今年はもう少し本を読みたいです。
具体的な数字があると違いますね。

哲学は数学から生まれてきたような印象を持っていますが、数学的なスマートさと同時に泥沼の様相も呈するので、そこにまたはまりこんでしまいます・・・。
Posted by 管理人 at 2008年03月08日 23:59
>桃源児さん
すごい。哲学を勉強するクラブですか??
じゃあ、多分桃源児さんの方がお詳しいと思いますです。
古代ギリシアから年代順に勉強されているならば、もうほとんど現代まで勉強なさっていることになりますね。
う〜ん。
ボロが出てたらゴメンナサイ。
Posted by 管理人 at 2008年03月09日 00:02
nyattoの旦那ァ・・・
今日は真面目に書きますぜ。

皆さんスゴイ!
今更自分の読書の限界を感じています。
とりあえず「お金」と「時間」が欲しい。
nyattoさん、僕を扶養家族にしてくれへんかな・・・・・・
贅沢は言いません!
朝、昼、夜、夜食の4食と
気分転換に甘モノを多々・・・・・・
それに読みたい本を・・・・
それだけで「食客」という
贅沢なものを持てます・・・・・
返事次第で会社に行って、言いたいことぶちまけます。
Posted by さとり at 2008年03月10日 12:02
>さとりさん
近所にhttp://nyatto.seesaa.net/article/82137052.htmlで載せた廃屋があります。
是非住んじゃってください!

そうしたらそうしたら・・・
朝・昼・夜・夜食にカマンベールチーズ、
気分転換に目だけジャンレノ(甘いマスク)、
読みたい本としてコンパクト六法と地方版の薄っぺらいタウンページ(無料なのに文字数はすごく多いです!)、
さらにオマケとして心の洗濯と同時にうちの洗濯物も全ておまかせします!

陶淵明のごとき隠遁生活・・・耳柴付きでどうっすか?
Posted by 管理人 at 2008年03月10日 13:22
さぁ!今日も社会に適応してる振りして頑張るぞ〜

隠遁生活は僕の夢ですが・・・・・
出来れば功成り名を遂げてから・・・・・
と乙女のような甘い夢を見ています・・・・

あの廃屋では・・・ちょっと僕の理想とは・・・
勘弁してください・・・・・
Posted by さとり at 2008年03月11日 09:38
>さとりさん
「社会に適応している振り」って・・・身につまされます(既に適応できてないことがにじみ出てきてそうな自分です)。

そんな遠慮しないで・・・(住んでる自分って・・・)
Posted by 管理人 at 2008年03月11日 17:15
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/88746203

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。